パチ屋のチラ裏は書きづらい

好きなことを語りたいだけ。

浅羽悠太が好きすぎて辛い

漫画作品『君と僕。』(堀田きいち作)に登場するキャラクター、浅羽悠太が好きすぎるので、想いをぶつけたい。

 

■『君と僕。

月刊Gファンタジーに連載されており(現在は休載中)、スクウェア・エニックスより刊行されているコミックスは現在15巻。2011年から2012年にかけて分割2クールでアニメ放送もされた。

五人の男子高校生を中心に、なんてことない日々を送る、ゆるやかなストーリー。大きな事件が起こるわけじゃなく、ただただ、当たり前の日常が描かれている。

www.square-enix.co.jp

 『君と僕。』のメインキャラクターは、五人。キャラクター紹介やアニメのキャストクレジットでは、順番がいつも決まっているが、この五人の優先度は限りなく横並びだ。大体、

  1. 浅羽悠太
  2. 浅羽祐希
  3. 塚原要
  4. 松岡春
  5. 橘千鶴

の順で名前が出てくる。

個人的に、最も主人公然としてるのは千鶴くんな気がする。よく動くキャラクターだし。

 

さて、私の最推しは浅羽悠太だ。浅羽悠太について語るためにブログを立ち上げたと言っても間違いではない。だから、浅羽悠太についての想いを、ここで綴らなければならない。

 『君と僕。』という作品は、舞台が三種設定されている。《あきらくんとこーちゃん編》《陽だまり幼稚園編》《高校生編(本編)》である。

《あきらくんとこーちゃん編》では、そのままあきらくんこーちゃんが主人公の物語だ。ふたりは穂稀高校に通う男子高校生なのだが、職場体験(授業の一環)でとある幼稚園に訪れる。それが、陽だまり幼稚園だ。《陽だまり幼稚園編》は、この幼稚園に通う四人の男児ゆうたゆうきかなめしゅんを中心に展開される。四人組が成長し、揃って穂稀高校に進学し、二年生に進級した四月が、実際に本編で連載されている《高校生編》である。

今回取り上げる浅羽悠太くんは、《陽だまり幼稚園編》《高校生編》に登場する。

 

■浅羽悠太、幼稚園児。

《陽だまり幼稚園編》では、浅羽悠太も幼稚園児である。名前の表記はひらがなで「ゆうた」。キャラクター紹介では、ゆうきと共に「クールなふたごの兄弟」「ゆうた(5)ゆうき(5)※ふたご」と書かれている。

双子らしく、ゆうたとゆうきは同じような役回りで描写されている。コピーアンドペーストというよりは、同一方向から替わりばんこにボケを連射しているイメージ。息の合ったコンビネーションで友人のかなめくんをイラつかせている。淡々と、絶え間なくボケを繰り広げ、要くんが激しくツッコミを入れるのがテンプレート。

そして、揚げ足を取るのが上手なのも双子の腹立たしいところである。二人でひそひそ話していても、その内容は第三者(かなめくん)をキレさせるものだったり(このひそひそ話も多分わざと聞こえるように言ってる)。

性的なことに関して背伸びしているような場面もある。母親に「なんでボクらふたごで生まれたの?」と問い、母親がしどろもどろになりながら「コウノトリさんが~」と、よくある答えを返した際、ゆうきの背後でゆうたが何らかの冊子を開き『答え合わせ』をしているのだ。また、ファーストキスの予行練習という話題になった際には「キスを語るなら もっとこー ビターな大人の味の…」「まぁもう少し大人になればまた考え方も変わるでしょうよ 君も男だもの」という台詞を残している。興味持つの早すぎないか、五歳児。

言ってしまえば、マセガキである。

表情変化は、大変乏しい。基本的に無表情である。笑った顔が無い。同じ顔が二つ並んでいる。だが感情に乏しいわけではないのだろう。かなめくんを中心に、周りを積極的に引っ掻き回す。楽しいことは好きな様子。

「ゆうた」「ゆうき」とそれぞれ名前はついているものの、双子は基本的に二人で一組の行動をとっている。しかし、一応差別化は図られていたようで、友人のしゅんは、何かあればゆうたに話しかけている。「ゆうたのケツのうしろ いっつもひっつきまわってんじゃん」とは、かなめくんの評価である。

友人をはじめ、周りの人間も双子をひとつのユニットとして扱う場面は無い。かなめくんは、ちょっかいをかける時はとりあえずゆうき。散々『同じ顔』と評されているにも関わらず、双子が間違われるシーンはほぼ皆無だ。

《高校生編》内での過去回想にも、ちょくちょく幼稚園の話は出てくる。冬、しゅんがチューリップの植木鉢に積もった雪を必死に除いているのを見て「チューリップの球根は寒さに強いから、そんなことしなくても春になったらちゃんと咲く」と、かなめくんは言う。しゅんはこの時の己の行動を『余計なこと』だと捉えたが、ゆうたは、しゅんのチューリップに対する優しさを、大切なものとして覚えていた(ちなみに、そのことをしゅんに直接伝える描写は園児時代にも高校生時にも無い)。

 

※《陽だまり幼稚園編》のゆうた、ゆうき、かなめ、しゅん。《高校生編》の悠太、祐希、要、春。この四人は同一世界軸の同一人物で間違いないのだが、物語の舞台設定や方向性が異なるため、キャラクターの立ち回りも異なってくる。《陽だまり幼稚園編》が「おおよそ幼稚園児らしくない幼稚園児のやりとりを楽しむ」物語なら、《高校生編》は「等身大の高校生の日常を描いた」物語で、わずかではあるがマンガとしてのジャンルがズレているように感じる。キャラクター性の矛盾が生じている部分も存在することを踏まえ、《高校生編》での過去回想の小、中学生時代を整理したい。

 

■浅羽悠太、小学生。

11巻Extra Scene「小学校に上がるのと同時に 二段ベッドを買ってもらった」から始まる双子のお話。幼稚園を卒園したすぐの、まだ幼い頃であろう。

二段ベッドの上の段で寝たいふたりが、ジャンケンで決着をつける。一度は悠太が勝つのだが、祐希が「二回勝負(アニメでは三回勝負)」と食い下がる。ここで悠太は、断れば自分が上の段に寝られるのに、祐希の申し出を受け入れている。六歳児なので深くは考えてないだろうが、祐希に対して甘い。

結果は、悠太の全勝。祐希はなおも「上がいい」と言い張るが、悠太もそれ以上は譲らない。公平にジャンケンして、完膚なきまでに叩きのめしたのだから、これは譲れない。悠太が折れないとわかると、祐希は泣き出す。自分じゃ祐希の機嫌を治せない悠太が、しれっとお母さんを呼ぶのが、兄弟っぽいなーと感じる。リアル。兄弟が泣いたときにどこか他人事で親を呼ぶのは、自分もよくやったし、わかる。リアル。「ボク知らない悪くない」と思ってるの、幼くて可愛い。

 

 5巻巻末らくがき、11巻50話からは、悠太の祐希に対するお兄ちゃんぶりが窺える。小学校時代の描写は低学年時が主(全編通して過去の話は幼い頃が多い)だが、巻末落書きでは、おそらく高学年である双子のイラストも存在する。寝ている祐希をラジオ体操のために起こす、机に向かって勉強している。やるべきことはやる悠太くん真面目っ子かよ可愛い。

 

5巻22話の過去回想では、父のお皿を割ってしまった悠太を、祐希が庇うシーンがある。父親の職業については不透明な部分が多いが、おそらく陶芸家で、この父のお皿は、父の作品である可能性が高い。

お皿を割った瞬間、真っ先に悠太が考えたのは、怒られる!だろう。でも、割れたものは元に戻らない、どうしよう、どうしようもない。そんな悠太を見た祐希は、割れたお皿を隠ぺいする。缶ケースに破片を全部入れて、土に埋める。

悠太は、先のことを考えるタイプだと思う。マンガやおもちゃを出しっぱなしにすると、足の踏み場が無くなるし、宿題を早めに終わらせないと、後からしんどいし終わらなかったら先生に叱られる。お茶をこぼしたのならば、雑巾で拭けば元通りになる。しかし、お皿を割ったら、割れたお皿は元に戻らない。だから「どうしよう」とパニックになる。

祐希は逆に、こういう時に動ける。祐希の行動は「お皿は元に戻らないけど、お皿の存在自体を無かったことにする」ものだ。そうすれば、お皿を割った事実も無くなる。ただ、これは己(今回は悠太)を守るけど、父の都合は考えてない。まあ祐希だから「自分さえ良ければどうでもいい」のだろうけど、でもバレたら強く叱られるのは祐希の対処法だろう。そして、祐希もバレたら叱られるのわかってる。「ボクもゆうたをかくまったつみで きょうはんしゃ」「おこられるときはボクもいっしょだからね」「だいじょうぶ」

バレなきゃ勝ち。悠太は誠実だけど、祐希のが生き方としては賢いのかもしれない。ただ、これは小学校時点の話だから、この後お互い影響し合って敵無しになっていくの、怖い。

 

8巻34話、「小学生ん時みんなどんな感じだった?」という話題。悠太の周りからの評価は、「一番モテてた」by要、祐希「昔から優しかった、足が速かった」by春

 

小学生悠太は、優しく、だけどまだ幼く不器用だった。

 

■浅羽悠太、中学生。

中学時代の描写は、今のところ6巻25話のみである。要くんの眼鏡デビューの話だが、幼馴染み四人組の立ち位置は、幼稚園時よりも本編高校生時に近い。

浅羽悠太に関して言えば、周りへの気配りレベルが小学生から格段に進化しているように見える。要の視力低下をいち早く察し、上級生にぶつかっても知らんぷりな祐希を叱ったり。

おふざけが好きなのは変わらす。要をイラつかせたり、ボケをかましたり。幼稚園の時みたいな、同じ方向からボケを交互に繰り出す、というよりは、祐希の打ち込むボケの合間にちょいちょい挟み込むような印象。春の天然ボケも含めて、熟練度の高い漫才を披露している。

祐希ほど無鉄砲に踏み込んで要に顔面を殴られることは無いようなので、越えない方が良い一線を見極める能力が備わったのだろう。

中学進学で、悠太と祐希はよく間違えられてると春は言うが、こいつらやっぱり一卵性なのかな。複数の小学校から一つの中学に進学すると考えれば、同級生の人数は数倍になるし、初対面の人間もかなりいる。顔が似てれば見分けに時間がかかるのも、まぁわかる。二卵性でも似てる人はめちゃくちゃ似てるし。ただ、この双子、幼い時から通して「顔が似てる」ではなく「顔が同じ」と表現しているから、一卵性なのかもしれない。

要あたりがたまに間違えて「あ、スマンお前じゃなかったわ」「あーそう」とか会話してたらいいな。間違われ慣れてる双子好き。間違われても特に気に留めない双子、すごく双子感ある。

 

■高校生の塚原要から見た、小学生の浅羽悠太。

15巻72話では、高校生の要と小学生の双子が交流している。要の夢の中での出来事だが、幼い双子と歳上の要、という構図が面白い。

要は幼稚園の時からずっと、双子に振り回されてきた。なかなか優位に立てない、あいつらをぎゃふんと言わせたい、そんなふうに双子を見ていたのだと思う。けれそ自分が高校生になって、あの時の双子を思い返せば、なんだ可愛い部分もあったんじゃねーか、と考えてそう。

夏休みの朝、ラジオ体操が終わったらハンコを押す。おにいさん(高校生の要)がハンコもらってないのがわかって、祐希は「家から取ってくる」と走って行ってしまう。悠太は置いてけぼり。祐希は自由奔放で、時々片割れの悠太ですら呆気にとられることもあるんだと思う。そして悠太は咄嗟に動けない(お皿割ったときも動けなかったしね)。いい子でお留守番してる悠太を、要は撫でてあげるんだけど、高校生にコドモ扱いされても悠太はまんざらでもないのね。

ハンコを取ってきた祐希は、要の手にハンコ押し付けて楽しそう。それを悠太は見てるだけで。要が気付いてもう片方手を差し出す。ハンコは一日一個。祐希がもう押しちゃったから、自分は押せない。ホントは押してみたかったけど、楽しそうだけど、一個のハンコがもう押されちゃったから、ボクは押せない。だから要は「内緒だからおにいさんにもう一個ちょうだい」って、真面目な悠太くんを甘えさせるんだね。要は、甘ったれ祐希の面倒を見る苦労性悠太を可愛がってやりたいのかもしれない。

同い年になってみれば、高校生悠太くんは、高校生要くんより一枚も二枚も上手。

 

物語の大半は、本編の高校生時である。ただ、それを含めると膨大な量になるので、今回は幼稚園から中学校まで。あくまで主観で語ったものなので、異論は認める。

浅羽悠太が好きだ。脳内補正がひどすぎて、時々原作を読み直さないと悠太くん像がぶれてしまう。それにしたって、浅羽悠太の声帯が内山昂輝なの、ヤバイ。